転落の原因は果たして
2023年8年18日
インドで滝周辺の崖上にある駐車場に駐めた乗用車がサイドブレーキを掛けていたにも関わらず動き出してしまい転落する事故があったそうです。駐車場に車を駐めトランクから荷物を取り出しトランクを強く閉めた所車が動き出してしまったとの事で、現地警察によれば事故原因は車のサイドブレーキの故障によるものとの見解です。
運転熟練者であれば「多分サイドブレーキの掛け方甘かったのでは」と感じる事故ですが、私は次の二つの事件を思い出し、
機能故障や部品の欠落も可能性としてあるのかも知れないと感じた次第です。
一つ目は、昭和60(1985)年前後に新聞記事で知った自動車単独事故の話です。
国産大衆車を峠道で運転中に、ステアリングポスト(ハンドル中心の支柱)からステアリングホイール(ハンドルの輪っか)がすっぽ抜けた事故です。その車は整備から戻って来たばかりでまた幸い死亡事故には至らなかったとの曖昧な記憶があります。40年近く前の事ですが日本人の真面目さ自体はその頃も今もほとんど変わっていないので(むしろ昨今の事件を耳にすると現代の方が退化?)整備上で故意とは言えないうっかりミスが発生したと思われます。まるでドリフターズのコントみたいですが実際に事故に遭遇してしまった方のその時の心中をお察しすると決して笑えません。
二つ目はやはり昭和の時代のマイカーでの経験。
某自動車ディーラーの車検から戻って来たマイカー、ドレンコック(エンジン底部のエンジンオイルを抜く為の蛇口)にメガネレンチがくっ付いたままでした。車が戻って来た翌日、月極駐車場に佇むマイカーに歩きながら近付いた際に車の下に「何かくっついているな」と気づき這いつくばって覗き込みドレンコックに刺さったままのメガネレンチをたまたま見つけたものです。
飛行場が舞台のドラマで飛行機整備中に利用した道具や部品の数量を整備終了後に厳密にチェックする姿が描かれていますが
30年程前の自動車整備業界では整備終了後の工具数量チェックは為されていなかったのだと思います。
もし気付かずに走行し交差点中央のキャッツアイ等に引っ掛けていたら運が悪ければ大事故を起こす可能性があったと思います。それ以来どんなに信頼できそうな自動車整備工場であっても整備から戻って来た際には自分なりに最低限のチェックをする癖が付きました。
国産車は生産管理能力世界一で信頼度抜群ですが、今の時代複数の国産車が海外で製造されている実態があります。
仮に国内生産した車であっても国際間のサプライチェーンを跨がって供給された部品が取り付けられている訳であり
自動車に関しても運転前に「今日のマイカーの体調は?」と少し気遣う必要が生じている気がします。
ドライバー自身は勿論、同乗者・他の車・歩行者を危険に晒す事が無い様に、タイヤのキズや残り溝点検から始まる運行前の始業点検が重要なのだと思います。